박유하 재판 분석 by 박인식

요 약

○ 저자가 규정한 대로 <제국의 위안부>는 역사를 둘러싼 사회현상과 담론을 고찰하기 위해 저술한 ‘메타역사서’로, ‘역사에 대한 해석’을 다루고 있기 때문에 ‘사실적시’보다는 ‘의견 표명’으로 보는 것이 타당하다고 생각합니다.

○ 피해자들은 ‘출판금지 가처분 변경신청’을 통해 “허위사실을 전파해 명예를 훼손했다”는 소송의 논리를 스스로 허물었습니다. 재판부에서는 이 책이 위안부 문제 해결을 위해 나 름의 방안을 제시한 단순한 의견표명으로서, 헌법이 보장하는 학문의 자유와 표현의 자유보호영역 내에 있다고 판단했습니다. 그리고 이 책의 표현 중 34곳의 삭제를 인용했습니다. 재판부의 판단과 일부 삭제 인용은 서로 모순된 것으로 보입니다.

○ 저자는 이 책에서 “당시 실정법에 의하면 ‘강제연행’이 아닐 수 있으나 실제로는 자발적으로 위안부가 된 것이 아니라 ‘제국’이라는 ‘구조적 강제’가 연행했다”고 일관되게 서술하고 있습니다. 그런데 형사2심 재판부는 “일본국과 일본군은 조선인 위안부를 강제동원하거나 강제연행하지 않았다는 것으로 독자들이 받아들이도록 서술되어 있다”고 판단하고 벌금 1천만 원을 선고했습니다. 독자의 오독 책임까지 저자에게 묻고 있는 것입니다.

○ 대법원 판례에서는 “명예훼손에 해당하는 행위일지라도 ‘가치판단’이나 ‘의사표명’에 해당하면 범죄로 인정되지 않는다”고 판결하고 있습니다. 앞서 말씀드린 대로 이 책은 ‘역사에 대한 해석’을 다룬 ‘의견표명’에 해당합니다. 따라서 형사1심에서는 이를 인정해 무죄를 선고했으나, 반면에 형사2심에서는 “표현 일부가 허위이고 그로 인해 피해자의 사회적 평가가 저하될 것을 저자가 인식하고 있었다”는 이유로 유죄를 선고했습니다.

○ 출판금지 가처분 신청 재판부에서는 결정문에서 “학문 연구는 기존 사상이나 가치체계와 상반되거나 저촉된다 해도 용인해야 한다. ‘공적관심사가 된 역사적 사실’에 관한 표현에 대해서는 피해자 명예 못지않게 표현의 자유를 보장해야 한다”는 대법원 판례를 인용했습니다. 이 책은 여기서 특정하고 있는 바로 그 ‘공적관심사가 된 역사적 사실’을 다루고 있습니다. 그럼에도 재판부는 삭제요청 표현 중 일부를 인용했습니다.

○ 누군가 명예훼손으로 회복하기 어려운 손해를 입어 출판물에 이의를 제기했다면, 그 결론은 출판금지이거나 출판허용 둘 중 하나이어야 한다고 생각합니다. 출판물 한 문단 한 단어를 떼 내어 이를 평가하고, 비판하고, 재단한다면 어떤 저자도 이를 감당할 수 없을 것입니다.

○ 이 책에 대한 제반 소송은 ‘나눔의 집’에 거주하는 위안부 할머니들 이름으로 제기되었으나, 여러 정황으로 보아 ‘피해 당사자의 의도와 무관하게’ 지원단체의 운동방식에 대해 비판적인 저자를 제재하기 위한 수단으로 지원단체에서 소송을 택한 것으로 생각합니다.

 

자세한 내용은 아래 PDF에서 확인할 수 있습니다.

독자의견 2020.07.04 박인식 Rev.2

“帝国の慰安婦 告訴事態” 経過

2005年 9月

朴裕河『和解のために:教科書・慰安婦・靖国・独島』(韓国語版)がプリワイパリ社から刊行される。翌年、韓国政府の文化体育観光部の優秀教養図書に選ばれる。

2006年 11月

朴裕河『和解のために:教科書・慰安婦・靖国・独島』(日本語版、佐藤久訳)が平凡社から刊行される。

2007年 12月

日本語版『和解のために』が第7回大佛次郎論壇賞を受賞する。

2008年 9月

韓国ハンギョレ、徐京植のコラム「妥協を強要する「和解」の暴力性 」掲載。
徐京植は当該コラムで朴裕河及び朴裕河に同意する「リベラルマジョリティー」を一緒に批判。

2009年 7月

ハンギョレ、尹健次のインタビューで「『和解のために』という本で日本の右翼知識人の賛辞を受けた朴裕河」と表現。尹健次は朴裕河を「似非右翼の心情主義」と批判。

2009年 12月

ハンギョレ、尹健次の本を「日本の右翼の賛辞を受けた『和解のために』を批判した本」と紹介。

2011年 2月

徐京植、朴裕河を批判した『言葉の檻から』刊行。

2011年 4月

徐京植に対する朴裕河の反論:「「右傾化」の原因を先に考えなければ」-教授新聞

2013年 8月

朴裕河『帝国の慰安婦:植民地支配と記憶の闘争』(韓国語版)がプリワイパリ社から刊行される。刊行後の秋から、慰安婦の方たちとの交流。当事者の考える「謝罪と補償」について意見を聞く。中でも、ナヌムの家に居住していたペチュンヒさんと頻繁に交流。家族がおらず、日本語の堪能だったぺさんは朴によく電話をかけてきた。

2014年 4月

朴、慰安婦問題の解決方式に疑問を持つ日本学者、元駐日特派員らと<慰安婦問題、第三の声>と題するシンポジウムを開き、それまで公けに聞こえることのなかった元慰安婦の声を公開。

2014年 5月 13日

ぺさんに会いにナヌムの家を尋ねるが所長によって拒否される。その後もぺさんとは電話で話すが、告訴の話はなかった。

2014年 6月 9日

ぺさん亡くなる。

2014年 6月 17日

ナヌムの家の所長と弁護士、元日本軍「慰安婦」9人の名前で韓国語版『帝国の慰安婦』記述の109箇所を、虚偽であるがゆえの名誉棄損として、著者と出版社代表を相手に全面販売禁止を求める刑事訴訟を起こす。同時に2億7000万ウォン〔約2700万円〕の損害賠償を求める民事訴訟を起こし、出版差し止めおよび元慰安婦への接近禁止の仮処分を申請する。7月から仮処分審理が始まる。

原告側が「慰安婦は自発的慰安婦」「慰安婦を非難した」とする報道資料を出したため、朴はその後現在まで国民的な非難にさらされることになる。告訴の根拠となった本の分析はナヌムの家の弁護士の学生たちが行った。告訴状には『和解のために』執筆やシンポジウム開催などの朴の行為は「慰安婦像を汚すもの」であるため、「慰安婦問題の解決のためにならない」とあった。

2014年 7月

ナヌムの家の顧問弁護士、『和解のために』を「青少年有害図書」として文化観光部の優秀教養図書選定を取り消すように申請。

2014年 9月

朴、A4 150枚の反駁文を提出。原告側、9月の裁判を延期申請。

2014年 10月

原告側、告訴内容を53箇所に減らし、全面販売禁止の当初の告訴内容を一部削除を求める内容に変更。このとき、『帝国の慰安婦』が「戦争犯罪を称えている」もので、朴の歴史認識は「公共善に反するもの」とする。

2014年 10月

元慰安婦ユヒナムさん、仮処分裁判で「朴裕河が日本から20億円もらってやると言った」と偽証。

2014年 11月

朴裕河『帝国の慰安婦:植民地支配と記憶の闘い』(日本語版)が朝日新聞出版より刊行される。

2014年 11月

言論仲裁委員会、歪曲報道に関する朴の申請を受け入れ、連合ニュース、ハンギョレ新聞など4社に対して告訴に関する記事の修正や削除を命じる。

2014年 12月

検察、「犯罪リスト」としてまとめられた53箇所に対して2回の調査。しかし嫌疑無しと決定する。

2015年 1月

検事による調査が三回にわたって行われる。しかし担当検事は結果を出さずに2月に移動。

2015年 2.17

ソウル東部地裁、『帝国の慰安婦』の出版禁止仮処分の申請の一部を認め、34カ所の記述が名誉棄損であると決定する(仮処分)。接近禁止申請は棄却。
<帝国の慰安婦> 起訴対象箇所 日本語翻訳 ダウンロード

2015年 4月

新しく事件を担当した検事、調停を勧める。以降検察による調停作業進む。

2015年 5月

損害賠償訴訟始まる。

2015年 6月

朴裕河『帝国の慰安婦:植民地支配と記憶の闘争』の「34カ所削除版」(韓国語第2版)がプリワイパリ社から刊行される。

2015年 9月

仮処分への意義申し立て申請。10月、調停決裂。原告側の和解条件は、

1)謝罪、2)韓国語削除版の絶版、3)日本語版の削除。

2015年 10月

日本語版『帝国の慰安婦』の第27回アジア・太平洋賞特別賞の受賞が決定される(11.11授賞式)。日本語版『帝国の慰安婦』の第15回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞の受賞が決定される(12.10授賞式)。

2015年 11月19日

ソウル東部地検、韓国語版『帝国の慰安婦』の著者を名誉棄損の容疑で在宅起訴。

2015年 11月26日

日米の学者ら54名が「朴裕河氏の起訴に対する抗議声明」を出す。

2015年 12月2日

韓国の知識人194名が「『帝国の慰安婦』の刑事起訴に対する知識人声明」を出す。

2015年 12月9日

韓国内外の研究者・活動家ら380名が「『帝国の慰安婦』事態に対する立場」を出す。

2015年 12月16日

朴、損害賠償請求の民事訴訟に最終答弁書提出。

2016年 1月13日

ソウル東部地裁、民事訴訟の判決を下す。韓国語版《帝国の慰安婦》著者に対し、9名のハルモニに損害賠償金計9千万ウォンを支払うよう命じる。

2016年 1月19日

朴、損害賠償請求の民事訴訟判決に控訴。

2016年 1月20日

第一回 刑事準備裁判始まる。朴、国民参加裁判を申請。

2016年 1月24日

原告側、朴の給料の差し押さえを西部地裁に申請。

2016年 1月27日

第2回 刑事準備裁判

2016年 1月31日

朴、『帝国の慰安婦』韓国語第2版をホームページで無料公開する。

2016年 2月

ソウル西部地裁が損害賠償金の差押えを認めたことを受け、世宗大が朴裕河氏の給与を二回にわたって差押える。朴、強制執行停止申請。

2016年 3月7日

仮処分異議申立てに対する1回目の裁判

2016年 3月14日

控訴審を担当する高等裁判所、強制執行停止申請を認め、賠償金の半額に当たる4500万ウォンの供託金提供を命ずる。朴同額供託、差し押さえは4月から中止される。

2016年 3月28日

東京で擁護派と批判派の研究集会。

2016年 4月

3・28集会で出た批判を韓国のハンギョレ、シサインなどが報道。韓国と日本の批判者による『帝国の弁護人-朴裕河に問う』刊行。刑事本裁判のための公判準備裁判が1月から7月までの間に合計6回行われる。

2016年 6月

城南市図書館、『帝国の慰安婦』を19歳以下は読めないようにしていたことが知られる。出版社、経緯を問う抗議文を送る。

2016年 8月 30日

第1回公判が行われる。
(リンク:刑事訴訟 公判記1――アイロニのるつぼ)

2016年 9月 20日

第2回公判が行われる。
(リンク:刑事訴訟 公判記2――笑えない皮肉)

2016年 10月 11日

第3回公判が行われる。
(リンク:刑事訴訟 公判記3)

2016年 11月 8日

第4回公判が行われる。
(リンク:刑事訴訟 公判記4)

2016年 11月 29日

被告人尋問が行われる。

2016年 12月 20日

最終陳述が行われる。
(リンク:刑事訴訟 最終陳述)

2017年 1月 25日

無罪宣告。
(リンク:刑事訴訟 判決文(要約))
(リンク:刑事訴訟 判決文(全文))

<帝国の慰安婦> 起訴対象箇所 日本語翻訳 ダウンロード